「日本版ライドシェア」の解禁に向けた動きが加速している。写真は米国のライドシェア大手ウーバーの車両(写真:AP/アフロ)
  • 「日本版ライドシェア」の解禁に向けた動きが加速している。2023年12月26日、規制改革推進会議が中間答申を発表した。
  • 「革新的サービスの社会実装」を目指すという掛け声のもと、タクシーの規制緩和や対象地域の拡大、さらなる法制度の整備などの議論が進む。
  • だが、既に多くの地方自治体でボランティア精神に基づいた「自家用有償旅客運送」が広がっており、事業化を見据えた日本版ライドシェア解禁への理解が地域住民から得られるか懸念がある。(JBpress)

(桃田健史:ジャーナリスト)

 国の「ライドシェア」に対する方針の大筋が決まった。規制改革推進会議が2023年12月26日、「規制改革推進に関する中間答申」の中で明らかにした。

 ここでいうライドシェアとは、普通免許しか所持していないドライバーが自家用車を使いタクシーのような有償で旅客行為を行うことを指す。

 中間答申では、交通、物流、医療、介護、教育、生活などの分野において、日本はいま直面している人口減少への対策として「革新的サービスの社会実装」を目指すとしている。交通分野での「革新的サービス」には、大きく3つの領域がある。「タクシーの規制緩和」「自家用有償旅客運送の制度改善」「タクシー事業者以外の者によるライドシェア事業のための法律制度についての議論」だ。

 これらを順に紹介していきたいが、筆者は最も気になっているのが3番目の新法に対する議論だ。「令和6年6月措置」という記載も大いに気になるところだ。そもそもこの新法に関する議論は立ち上がり時点で、当事者不在という印象がある。詳しくは後述する。

 まずは、タクシー規制緩和についてみていく。

一般社団法人全国タクシー・ハイヤー連合会の勉強会で説明する川鍋一朗会長=2023年11月21日撮影(写真:筆者撮影)

 規制改革推進会議・地域産業活性化ワーキンググループで行った2023年11月から12月の議論の中で、タクシー規制緩和についてタクシー事業者、国土交通省、警察庁から業界の実情や要望が提示されており、中間答申はそれらをおおむね加味した内容になっている。ただし、課題となっているタクシーのドライバー不足と、それに伴うタクシーの供給不足について、改善のスピードが比較的早いと予想される都市部や有名観光地以外、つまり地方や過疎地での改善が今後どう進むのかが気がかりである。

 一般社団法人の全国タクシー・ハイヤー連合会が2023年11月21日に都内で一部報道陣向けに行った勉強会に筆者も参加したが、連合会側の説明では地方や過疎地に関するデータに基づく裏付けが弱いという印象があったからだ。