- マツダの多目的スポーツ車(SUV)「MX-30 Rotary-EV」を試乗した。マツダ伝統の「ロータリーエンジン」を搭載した注目の車だ。
- EVでありPHEVでもあり、ロータリーエンジンを発電機として使いモーターを駆動させ、バッテリーに充電する。
- EVとしての航続距離をのばす役割を果たす独自技術は、今後、他のモデルにも展開されていくのだろうか。
(桃田健史:自動車ジャーナリスト)
マツダの真骨頂であるロータリーエンジンを搭載した「MX-30 Rotary-EV」に試乗した。
試乗の基点は、神奈川県横浜市神奈川区の「マツダR&D横浜」だ。ここは、広島に本社を持つマツダにとって、技術開発における首都圏の拠点であると同時に、報道陣向けの新車試乗会や技術説明会、またマツダファンが集うミーティングの場としても活用されている。
マツダR&D横浜に到着すると、試乗車の「MX-30 Rotary-EV」がズラリと並んでいた。遠目には、マイルドハイブリッドである通常の「MX-30」や「MX-30 EV MODEL」と大きくは変わらない。
詳しく見ると、ボディの後部や側面にRotary-EV専用のエンブレムが装着されていたり、Rotary-EV専用の特別仕様車「Edition R」が設定されていたりと、Rotary-EV搭載車としての存在感はしっかり分かる。
ボディサイズは、全長4395mm×全幅1795mm×全高1595mm、ホイールベースは2655mmという多目的スポーツ車(SUV)である。
特徴は、前席ドアと後席ドアがいわゆる観音開きとなる構造だ。マツダでは「フリースタイルドア」と呼ぶ。手荷物の乗り降ろしや、後席に子どもが座る際の利便性を考慮したマツダらしい設計思想だ。ちなみに、ロータリーエンジン搭載車としては、スポーツカーの「RX-8」もフリースタイルドアを採用していた。