ホンダの青山本社で行われた、ホンダ、GM、クルーズの共同会見の様子。写真左がホンダの三部敏宏社長(写真:桃田健史)ホンダの青山本社で行われた、ホンダ、GM、クルーズの共同会見の様子。写真左がホンダの三部敏宏社長(写真:桃田健史)
  • ロボットタクシーなどと呼ばれる、自動運転技術を使ったタクシーサービスについて、「日本は海外に比べて、法整備や技術面で遅れているのではないか?」という声を巷で聞くことがある。
  • ホンダが10月20日に発表した2026年に都内で開始予定の自動運転タクシーサービスについても、一部のメディアやネット上でそうした意見を目にした。
  • だが、技術的にはすでに米国に引けを取らないレベルにあるとの声もある。課題は「自己責任」の考え方や地域社会での需要創出か。

(桃田健史:自動車ジャーナリスト)

 まず、ホンダの発表内容を改めて紹介する。

 ホンダは、アメリカのゼネラルモーターズ(GM)と、GM傘下の自動運転技術の開発ベンチャーであるクルーズと共同で、2026年初頭に日本で自動運転タクシーサービスを開始すると発表した。2024年にサービスを運営する合弁会社を3社が共同で設立する。

 これまでの3社の関係を振り返ると、GMが2016年にクルーズに出資し、GMクルーズを設立。次いで、2018年にはGMと燃料電池車や電気自動車(EV)などの共同開発で協業関係にあるホンダがGMクルーズに出資した。

 研究開発では、GMクルーズは米カリフォルニア州サンフランシスコを皮切りに、小型EVのGMシボレー「ボルト」をベースとする自動運転車を全米15カ所での実証試験、または社会導入している。ホンダは同モデルを日本国内のホンダ関連施設に持ち込み、日本の道路環境への対応など独自に研究開発を進めてきた。

 会見にオンラインで参加した、GMの会長兼最高経営責任者(CEO)のメアリー・バーラ氏は「GMは常にモビリティの未来を定義することに投資してきた。ホンダとクルーズとソフトウエアおよびハードウエアでのイノベーションを進めて、グローバルで自由な移動を支える」と、ホンダとの事業連携の拡大を印象付けた。

 また、ホンダの三部敏宏社長は「ホンダが目指すのは『自由な移動の喜び』の創造だ。先進モビリティ社会における、新しい価値創出を目指す」と、ホンダにとっての自動運転タクシーという新規事業の重要性を強調した。