米国発のウーバーは各地で普及したが、こうしたライドシェアは日本でも本当に必要なのか?(写真:AP/アフロ)

 2023年夏以降、自民党や野党でライドシェアの日本導入に関する議論が活発になっている、との報道が目立つようになった。

 そうした中、河野太郎デジタル大臣は2023年9月22日のオンライン会見で、タクシーに関する規制緩和やライドシェア導入に向けて議論するべきだといった、新しい交通システムのあり方について前向きな姿勢を示した*1。その前には、神奈川県の黒岩祐治知事がテレビの報道番組で日本版ライドシェアに関する持論を展開したところだ*2

*1ライドシェア解禁「積極的に議論したい」 河野デジタル相(9月22日付、日本経済新聞)

*2黒岩知事がライドシェア導入構想 有償で自家用車相乗り、タクシー会社と連携(9月17日付、産経新聞)

 ここでいうライドシェアとは、普通免許しか所持していない人が、旅客運送用ではない普通乗用車をタクシーのように使って収益を得るビジネスモデルを指す。背景には、京都などの観光地や、人口が少なく交通の不便な中山間地域でタクシー不足が社会課題となるケースが目立つようになってきたことが挙げられている。

 はたして、日本に今、ライドシェアを導入する必要があるのだろうか?