- FRBによる急ピッチの利上げにもかかわらず上昇してきた米国株。今後予想される利下げでさらなる株高期待の声も挙がる。
- だが、このところの上がり方は日本のバブル崩壊時に似ている。ダウ平均が近くピークをつける可能性がある。
- 米露で大統領選が控えるなど、各種イベントがある中、注意が必要だ。
(市岡 繁男:相場研究家)
はっきりしない世界的な株価高騰の理由
自然界の異変が続いています。2023年12月上旬、中国・上海では30年ぶりの暑さになったそうです。さらにその1週間後、今度は40年ぶりの寒さになったと報じられました。中国では古来、自然界の異変は人間界で起きることの前兆として捉えられてきました。
日本でも2024年の元日に石川県能登地方を震源とする令和6年能登半島地震が発生しました。被災されたみなさまにお見舞い申し上げます。
大地震で始まった2024年、政治経済も大揺れとなり、各種相場もこれまで以上に振幅が大きくなるのではないかと見ています。
そう思えて仕方がないのは、昨年から続く世界的な株価高騰の理由がはっきりしないからです。
欧米の中央銀行は何度も利上げを行い、総資産を圧縮してきました。本来ならば中央銀行が利上げのみならず、量的引き締め(QT)を行えば株安になってしかるべきですが、そうはなっていません(図1)。
(本記事は多数のグラフを基に解説しています。正しく表示されない場合にはオリジナルサイト「JBpress」のページでお読みください)
利上げしたのに金融緩和状況は利上げ前のレベル
それどころか、金融が引き締め基調にあるかどうかを映すシカゴ連銀の金融環境指数は、2022年3月の利上げ前のレベルまで金融が緩んでいることを示しています(図2)。