米軍供与の「パトリオット」ミサイルでもロシア軍のすべてのミサイルは撃ち落とせない(写真は2022年、米陸軍の演習、米陸軍のサイトより)

 ロシアによるウクライナ侵攻を受け、米欧や日本はロシアに対して半導体を含むハイテク部品の輸出規制を行っている。

 ロシア軍によるミサイル攻撃の現状を見る限り、増減はあるものの、輸出規制の影響はまだ少ない。

 ロシア軍のミサイル攻撃に対し、ウクライナ軍は各種防衛ミサイルを配備して、迎撃している。

 一方、ロシア軍は、発射したミサイルを撃墜されにないように、冷酷で陰湿な策を取り入れて攻撃している。

 ロシアのミサイル攻撃は、ウクライナ軍だけに対して実施しているのではない。

 敵軍の弱みに付け込んで攻撃するのがロシアの常套手段ではあるとはいえ、ミサイル攻撃が軍施設以外にも向けられ、ウクライナ国民に耐えられない苦痛を与え続けている。

 このようなロシアのミサイル攻撃が人々に苦しみを与えているのは、今、地球上で起こっている現実なのである。

 今回は、ロシア軍のミサイル発射の増減、ウクライナ軍の撃ち漏らしを狙ったロシアの冷酷な飽和攻撃について解説する。

 また、米欧日の輸出規制効果、ウクライナ軍のミサイル対応、それへの対応を踏まえたロシア軍ミサイル攻撃の特色について考察する。