逃げ場を失った100万人の子ども

 ガザ地区ではこの瞬間も、多数の幼い子どもたちがイスラエルによる容赦のない攻撃の犠牲となっている。NBCニュースは10月末、イスラエル軍の空爆で亡くなった9歳と11歳の姉妹の遺体が、瓦礫の下から掘り起こされる様子を詳報している*5

*5Death and trauma stalk Palestinian children(NBC NEWS)

 国際NGOセーブ・ザ・チルドレンの地域責任者は10月の声明で、爆発などによる子どもへの影響をこう伝えた*6

「子どもたちは爆発性武器の衝撃に対して特に脆弱であり、爆発によって体がより強く遠くふき飛ばされる。(子どもの)骨はより曲がりやすく、回復の可能性がほとんどない長期的な変形の可能性が高くなるだろう。失うことのできる血液の量も(大人よりも)少ない」

*6AT LEAST 2000 CHILDREN KILLED IN GAZA AS AIRSTRIKES CONTINUE UNABATED(Save the Children)

イスラエルによる爆撃で多くの子どもが被害を受けている(写真:AP/アフロ)

 攻撃を生き延びることができたとしても、幼い子どもたちにとって更に深刻なのは、長期にわたる身体的、そして精神的な影響だろう。今月15日までの国連の発表によれば、イスラエルによる今回の攻撃で、逃げる場もなくガザに留まり続ける100万人の子どもたちがおり、子どもだけで既に4600人以上が死亡、9000人が負傷している*7

*7Gaza: ‘Hospitals are not battlegrounds’, children’s suffering must stop, UN humanitarians say(国連)