(舛添 要一:国際政治学者)
11月15日未明、イスラエル軍はガザ地区最大の病院であるシファ病院に突入した。イスラエルは、病院の地下にハマスの司令部があると主張して、ハマスの戦闘員を捜索する活動を展開している。
しかし、今のところ、地下トンネルや司令部の存在を証明する映像は公表されていない*。ハマスは、病院には拠点はないと、イスラエルの主張に反論している。どちらの主張が正しいのかは、まだ分からない。
*日本時間で11月17日正午の時点では、イスラエル軍がシファ病院敷地内で発見したという「トンネルの入り口」とされる映像が公開されているが、本稿執筆時点でその内部についての詳細は不明
高まるイスラエル国民の不満
10月7日のハマスによる奇襲攻撃を事前に察知できず、1200人もの国民を犠牲にし、200人以上の人質をとられたことは、ネタニヤフ政権の大失態である。戦争が終わったら、辞任せざるをえないであろう。
また、報復攻撃を開始してから1カ月以上が経過するのに、ほとんどの人質をまだ救出できていない。人質の家族やイスラエル国民の不満は頂点に達している。また、ハマスを殲滅する目的で軍事作戦を開始しているが、ガザの北部に関しても、そのミッションは完了していない。