イスラエルの過去の戦争、ほとんどは短期戦

 1948年5月14日の建国以来、イスラエルは、アラブ諸国と過去4度にわたり戦争を繰り返してきた。

 建国直後の第一次中東戦争は、翌年前半に国連の仲介で停戦が実現した。

 第二次中東戦争は、1956年10月29日、エジプトのナセル大統領がスエズ運河の国有化を宣言したために、イギリスはフランスとイスラエルにも出兵を促し、戦争となった。戦争はエジプトの敗北で11月7日に終わったが、国際世論の支持を受けたエジプトはスエズ運河の国有化に成功した。

 第三次中東戦争は、1967年6月5日、イスラエルがアラブ諸国を奇襲攻撃して始まった。イスラエルは、エジプト、シリア、ヨルダンを撃破し、ヨルダン川西岸、ガザ、シナイ半島、ゴラン高原を占領し、6月10日には戦争は終わった。6日戦争と呼ばれる。

 第四次中東戦争は、1973年10月6日、エジプトがシナイ半島に、シリアがゴラン高原に奇襲攻撃をしかけて始まった。当初イスラエル軍は後退を余儀なくされたが、反撃に出て、シナイ半島中間まで戻したところで、アメリカの仲介で10月23日に停戦した。開戦の日がユダヤ教の祝祭日ヨム・キプールの日であったため、ヨム・キプール戦争と呼ぶ。

 最初の戦争を除けば、いずれも20日以内という短期間に停戦に持ち込んでいる。しかし、今回は、1カ月が経過しても、イスラエルは戦争を継続する意向であり、後ろ盾であるアメリカですら停戦を実現させられずにいる。