ショイグ露国防相を「木偶の坊」呼ばわり

 トロシェフはその前年の16年、シリアの過激派組織「イスラム国」に対するワグネルの攻撃を指揮し、古代都市パルミラを解放した功績でプーチンからロシアの英雄と称えられた。ウクライナ戦争では無能なセルゲイ・ショイグ露国防相を「木偶の坊」呼ばわりした上で、ロシア軍の司令官に悪態をつき、「砲弾をもっとよこせ」と要求した。

 トロシェフは14年、プリゴジンによるワグネル創設を支援し、それ以来、シリア、アフリカ、ウクライナ戦争での軍事作戦を指揮するなど、重要な役割を果たしてきた。戦闘を忌避するワグネル戦闘員を罰する「内部保安部」のトップとも伝えられている。トロシェフのリーダーシップはプーチンに感銘を与えたとされる。

 複数のテレグラムチャネルで公開された情報によると、アフリカに展開していたワグネルの軍事教官が7月11日、ロシアの占領下にあるウクライナ東部ルハンスク州から車列を組み、ベラルーシの軍事訓練場に到着した。

 ロシア国防省は12日、ワグネルから戦車を含む2000もの重火器の引き渡しを受けたと発表した。14日にはワグネルの軍事教官がベラルーシ領土防衛隊の徴集兵に戦場での移動や戦術射撃、戦闘外傷救護を訓練している映像が公開された。

 米シンクタンク「戦争研究所(ISW)」は、ワグネルはアフリカに展開する部隊をローテーションさせようとしており、ベラルーシでの軍事教練はより広範なローテーションの一環であることを示唆していると指摘する。ワグネルは6月24日の反乱の後、休暇を取り、再編成を経て、8月前半にベラルーシに展開すると伝えられる。