「プリゴジンの反乱」を巡るさまざまな憶測が飛び交う中、プーチンは、ワグネルからプリゴジンの影響力を排除するため、東部ドネツク州の激戦地バフムートを制圧するなど、ウクライナ戦争におけるワグネルの功績を称える一方で、ウクライナの占領地を含むロシア国内ではワグネルは非合法な存在であることを改めて強調した。

プリゴジンに対するネガティブ・キャンペーン

「ワグネルは存在しない」というプーチンの言葉が伝わる中、大きなテントの中のベッドに腰掛け、Tシャツにブリーフ、中年太りしたお腹というみっともない姿で撮影されたプリゴジンの写真がテレグラムチャンネルに出回った。英紙デーリー・テレグラフによると、写真のメタデータから、「プリゴジンの反乱」12日前の6月12日に撮影されたという。

テレグラムチャンネルに投稿されたプリゴジンの写真。でっぷりしたお腹が分かるTシャツにブリーフ姿というあられもない格好。この写真が出回った背景には、ロシア政府によるプリゴジンを貶めるネガティブキャンペーンがあると見られている(「REVERSE SIDE OF THE MEDAL」のテレグラムチャンネルより)

 同紙は「恐れられた軍閥(プリゴジン)を弱体化させ、辱め、信用を失墜させようとするクレムリンのキャンペーンと軌を一にしている」と分析する。ロシアの治安部隊がサンクトペテルブルクにあるプリゴジンの邸宅を捜索した際、カツラでいっぱいの戸棚、黄金の延べ棒、ワニの剥製、屋内プールの写真が次々と公開された。プリゴジンを貶める狙いがある。

 ジョー・バイデン米大統領は7月13日の記者会見で「もし私がプリゴジンだったら、食べるものに気をつけるだろう。メニューから目を離さないだろう。しかし冗談はさておき、ロシアにおけるプリゴジンの将来がどうなるのか、私たちの誰にも確かなことは分からない」と話した。

 デーリー・テレグラフ紙によると、「セドイ」ことトロシェフは2017年、泥酔してサンクトペテルブルクの病院に救急車で運び込まれたことがある。トロシェフは現金で500万ルーブル(約770万円)と5000ドル(約70万円)、シリアの軍事地図、新兵器の領収書、電子航空券を持っており、救急隊員を驚かせたという。