デサンティスはいずれ自滅する?

 前出の共和党ウォッチャー氏は、スコット氏についてこう指摘する。

「長所は、共和党保守本流の主張を踏襲していることだ」

「スコット氏は、トランプ氏を支持する保守派(億万長者から草の根、エバンジェリカルズまで含む)でも、モラル上・法律上の問題でトランプ氏には嫌気が差している人も支持できる政策上の基盤に立っている」

「かつて、民主党リベラル派の白人が黒人のバラク・オバマ氏支持になだれ込んだのと同じ現象が共和党サイドでも起こりうる」

「デサンティス氏は立候補前に反LGBTQ問題やディズニーとの法廷闘争などネガティブ要因が露呈しており、トランプ氏の攻撃も受け、苦戦するだろう」

「その意味では、スコット氏が予備選で相当健闘する下地はある。トランプ氏が起訴に次ぐ起訴で脱落すれば、スコット氏が共和党候補に躍り出る可能性はある」

「さらに本選挙でバイデン氏との一騎打ちになれば、民主党支持の黒人やラティーノ、無党派層の票はスコット氏に雪崩を打って流れるかもしれない」

「世論調査ではトランプ氏がダントツだが、世論調査も形式や調査方法がまちまちであまり信用できないといった専門家の指摘もある」

「そうした中で、選挙登録済みの有権者、支持政党、党員資格などをチェックして実施したワシントン・ポスト・ABC世論調査結果では以下のような結果が出ている(4月28日から5月3日)。

トランプ:53%
デサンティス:25%
ヘイリー:6%
スコット:4%

April 28-May 3, 2023, Washington Post-ABC News poll

いずれにせよ、スコット氏の動向からは目が離せない。