岸田首相と会談したフロリダ州知事のデサンティス氏(4月24日、写真:代表撮影/ロイター/アフロ)

共和党と民主党の代理戦争

 米娯楽・メディア大手、ウォルト・ディズニーのロバート・アイガー最高経営責任者(CEO)が4月27日、「ミニ・トランプ」ことロン・デサンティス・フロリダ州知事を相手どって、連邦南フロリダ地区地裁に訴訟を起こした。

Disney sues Ron DeSantis, citing 'campaign of government retaliation' - Los Angeles Times

 デサンティス氏は、ドナルド・トランプ前大統領の共和党指名を阻む最有力候補と目されてきた。

 フロリダ州議会閉幕を待って5月に正式立候補宣言するものと見られている。

 大統領候補としての箔つけのために今月中旬には日本、韓国、イスラエル、英国を歴訪、日本では岸田文雄首相と会談した。

 デサンティス氏に挑戦状を突きつけたアイガー氏は、15年間ディズニー経営者として君臨、2020年にいったん退いたが、「御家の大事」とあって2022年11月、CEOに復帰している。

 アイガー氏には「経営者としての顔」のほかに「もう一つの顔」がある。「政治家としての顔」だ。

 現在は無党派だが、2016年まではれっきとした民主党員。

 同年の大統領選の際にはヒラリー・クリントン氏の共同選対委員長を務め、ドナルド・トランプ氏と対峙したこともあった。

 2020年の大統領選の時には自分自身、立候補することすら真剣に考えていたのだ。

 政治理念は穏健派リベラル。地球温暖化やLGBTQ問題には関心が強く、その点ではジョー・バイデン大統領と同じスタンスだ。

 今回訴訟を起こした理由はこうだ。