母方の故郷であるアイルランドでスピーチするバイデン大統領(4月14日、写真:AP/アフロ)

起訴後、共和党支持者のトランプ支持が急増

 2024年米大統領選挙の予備選開始まであと9か月と迫った。2024年1月8日に最初の予備選挙(党員集会)がアイオワ州で開かれる。

 共和党はドナルド・トランプ前大統領(76)が正式立候補してから5か月。それ以後、トランプ氏には(予想されたことだが)呪われた出来事が襲いかかっている。

 ニューヨーク州マンハッタン地区検察局は34件の刑事罰でトランプ氏を起訴した。米司法省刑事局やジョージア州地裁の訴追が待ち構えている。

 それでも(あるいはだからこそ)トランプ氏は、米国憲法が米国人であれば、起訴されようと実刑判決を受けようと大統領選出馬を禁じてはいないことを法的根拠に、大統領選キャンペーンを続けると公言している。

 常識的に見れば、これから予備選の最中はもちろん、大統領選投票日まで公判が続くだろうし(あるいは大統領選の終わった後も続くかもしれない)、トランプ氏の当選は難しいだろうとの見方が大勢のようだ。

 トランプ氏が藻掻けば藻掻くほど現職のジョー・バイデン大統領(80)が立候補すれば、選挙戦は有利になりそうだ(少なくとも主要メディアがにおわせている限りにおいては・・・)。

 米世論調査は、2016年大統領選でトランプ氏がヒラリー・クリントン民主党大統領候補に勝つとは予想すらしていなかった。

 それ以後、世論調査は信用度を失墜させた。

 だが、米国という国家の現状や国民の「温度」を測る手立てはこれ以外にあまりない。

 まず共和党支持者は、トランプ現象をどう見ているか、だ。

 信用度の高い世論調査「RCP」(リアル・クリア・ポリティクス)によれば、トランプ氏が「私はまもなく逮捕される」とツイートした3月30日、共和党を支持する有権者の46%は「トランプを擁護する」と答えた。

 実際に起訴された4月4日以降、この擁護派は52%に増えた。

 最新の世論調査では、トランプ氏の対抗馬と見られているフロリダ州のロン・デサンティス知事との支持率の差は56%対23%と、33ポイントに開いた。

2024 GOP Primary Election Tracker | Morning Consult

(差が開いた要因の一つには、デサンティス氏が仕掛けたディズニーとの「カルチャー・ウォー」や妊娠中絶禁止法案提出など過激な政治スタンスやパフォーマンスが反発を買ったとの見方もある)