世間に見透かされたジャニーズ事務所への忖度
社会に難題が山積し、AIの進化で本物と見分けがつかないフェイクニュースが増えています。だからこそ、ジャーナリズムはますます重要になり、ジャーナリストの存在価値は高まると思います。記者という仕事はやりがいに満ちているはずなのに、それを目指す若者が減っているという話を聞くのは残念です。
「テレビを見ないのだから、テレビ局の報道記者になろうと考えるはずがない」と結論づけてしまえば終わってしまう話なのかもしれません。しかし、そんな単純な話で片付けるべきではなく、メディアとしての存在意義と将来性が問われていることを噛みしめる必要があると切実に思います。
そうした中で、メディアに対して批判や不信感を招くような事態になっています。ジャニーズ事務所の問題を長きにわたって黙殺してきたためです。
これまで各放送局ともに、ニュース番組やワイドショーの放送時間を増やしてきました。視聴者が本当に必要としている情報なのかどうか定かではありませんが、当たり障りなく時間を埋めるのに好都合なのは、
それらに時間を割くことは否定しません。ただ、ジャニー喜多川氏の性加害問題を取り上げるタイミングが遅いばかりか、いまだに消極的な報道姿勢であることには疑問を抱きます。
ジャニーズ事務所に忖度していること、そして、横並び意識で様子見をしていることを世間に見透かされてしまっています。だから、ジャニーズ事務所の問題だけではなく、それを伝えなかったメディアの問題だ、という厳しい声が強くなっています。