(写真:AP/アフロ)

(作家・ジャーナリスト:青沼 陽一郎)

 ジャニーズ事務所の創業者で前社長のジャニー喜多川氏(2019年死去・享年87歳)による所属タレントへの性加害について、藤島ジュリー景子社長が動画と文書を発表して公式に謝罪したのは、5月14日の日曜日の夜。それからちょうど1週間が経った21日の日曜日の朝のニュース情報番組で、キャスターを務める所属タレントの東山紀之がこの件に言及し、謝罪の言葉を口にした。

 だが、そこから見えてくるものは、この問題に対する事務所や所属タレントの認識の曖昧さと見解のチクハグさばかりだ。

誠実な謝罪の言葉に聞こえなくもないが…

 東山がキャスターを務めているのは、テレビ朝日系の「サンデーLIVE!!」という朝5時50分からはじまる早朝番組。一部の地域では6時20分から放送ということもあってか、その時刻を過ぎた頃に東山が切り出した。

 まず、社長が謝罪したことなどを番組内で取り上げると、

「最年長である私が最初に口を開くべきだと思い、後輩たちには極力待ってもらいました」

 と言及。それから、

「今回の喜多川氏に対する元ジュニアたちの勇気ある告白は、真摯に受け止めねばなりません。実際に被害を訴えられていることは本当に切実で残念でなりません。未成年に与えた心の傷、人生の影響は計り知れません」

 と述べた。そして、こう続けた。

「今回事務所から再発防止策が出されましたが、我々もどのような未来を迎えるべきなのか、現在在籍しているタレントはどうすべきなのか、告発された皆さんにどう対処するべきなのか。そもそもジャニーズという名前を存続させるべきなのかを含め、外部の方と共に全てを新しくし、透明性を持ってこの問題に取り組んでいかなければならないと思っています。心を痛めた全ての方々、本当に申し訳ありませんでした」