(柳原 三佳・ノンフィクション作家)
俳優の三浦春馬さんが亡くなってから、まもなく2年。しかし、その波紋はさらに広がりを見せ、「自殺」と断定されたことに納得できないファンたちによる、死の真相追及を求めるデモ活動が、33都道府県(61カ所)で続いています。
自身もデモに参加したというMさんは、こう訴えます。
「活動の根底にあるのは、三浦春馬さんの不審死への疑念です。検視、初動捜査の杜撰さ、火葬までの早さなど、疑問点をあげれば枚挙に暇がないのです」
短時間で下される「自殺」の判断、間違いはないのか
また、MさんとともにTwitterで発信を続けている春馬さんファンのRさんもこう指摘します。
「春馬さんだけではありません、同じ年には竹内結子さん、芦名星さん、翌年には神田沙也加さん、そしてつい先日は、渡辺裕之さん、上島竜兵さんなど、芸能人の死が相次いで報じられていますが、みなさん、発見されたその日に『自殺』と発表されています。でも、そんな短時間で、本当の死因がわかるものなのでしょうか?」
実は、筆者自身も「死因究明制度」を取材する中で、同様の疑問をずっと抱き続けてきました。実際に、「自殺」と判断された家族の死に納得できず、長年にわたって苦しんでいる遺族の方々にも話を聞いてきましたが、いずれも、司法解剖や詳細な薬毒物検査等は行われないまま、短時間で「事件性なし」と判断されています。そのため、再捜査をしようにも証拠がないため、どうすることもできないのが現実なのです。
なぜ、こうしたケースが後を絶たないのでしょうか……。
そこで、千葉大学と東京大学の法医学教室で教授をつとめる岩瀬博太郎氏に問題点を伺うため、春馬さんの死の真相を追及するMさん、RさんをZoomでつなぎ、5月末に懇談を行いました。
三浦春馬さんの三回忌を機に、その内容を公開したいと思います。