「自然消滅」を期待していたか
昔も今も変わらず、多くのスポンサーは若い女性を最も重要なターゲットとしています。したがって、若い女性が見る番組に広告出稿(CMを流す)したい傾向があります。そのため、ジャニーズのタレントは放送局にとって非常にありがたい存在と言えます。
プライムタイムはCM料が高く、収益にも大きな影響を与えるので、ジャニーズ事務所に忖度せざるをえない、がんじがらめの状況なのです。
そうした背景もあって、週刊文春や、BBCといった外国メディアがジャニーズ事務所の問題を取り上げ、世論が盛り上がっても、放送局はしばらく「様子見」の態度を取ることを優先したのではないでしょうか。
また、世論の怒りの矛先は、特定の放送局でなく、新聞も含めたメディア全般の不作為に向いていたので、「赤信号みんなで渡れば怖くない」という感じがあったように思います。
各放送局は問題が鎮静化し、自然消滅することを期待していたかもしれません。しかし、被害にあったという証言者が次々に現れて、風向きが変わりました。
そして、TBSのニュース番組『news23』でキャスターがメディアの責任を語ったり、NHKが『クローズアップ現代』で掘り下げたりしたことで、逆にこの問題を取り上げないと乗り遅れてしまうというような空気が生まれつつあります。