ここで問題となるのは、誤解というよりも、「そもそもなぜ対領空侵犯措置を行う必要があるのか」という問題に対する認識です。
「侵略を防止するため」という答えは、決して間違いではありませんが、点数を付けるなら100点満点中せいぜい10点です。
他国の航空機が、尖閣をはじめとした領土問題に関係する離島に接近する意図には、我が方の動きを確認するという偵察が目的の場合もありますが、最大の目的は異なります。それは、その空域での飛行頻度を高め、国際司法裁判所において実効支配を主張できるだけの実績を積み上げるためです。
そして、そのために自衛隊の負担となる飛行を繰り返し、我が方が対応できなくなる状況を作り出そうとしているのです。
これに対抗して我が国が行わなければならないのは、接近してくる航空機が無人機であっても確実に対応し、尖閣などの周辺空域から去るまで監視と警告を続け、領空に侵入することがあれば撃墜するという動きを確実に取り続けることです。これによって、その空域を我が国が実効的に支配していると主張することができます。