ドイツ製のレオパルト2戦車(2022年10月26日、リトアニアでのNATO軍演習でフレアを発射したところ、NATOのサイトより)

 2023年1~2月、米欧がウクライナに、戦車や歩兵戦闘車などを供与することを決定した。そして、2月下旬から国境を越えて続々と運び込まれている。

 4月の初めには、米欧の戦車とロシアの戦車が激突することになる。

 これからの戦いでは、米欧の兵器の技術レベルの差を映像で見ることになるだろう。

 現在、ウクライナ東部のバフムートで、激しい戦闘が続いている。日々、このニュースであふれている。

 この地が、戦いの焦点であるかのようなメディア報道である。

 しかし、戦いの焦点となる地域は、ザポリージャ、へルソンからクリミア半島での戦闘になるはずだ。

 今のところ、この地での戦闘の情報は極めて少ない。私は、その情報の少なさに不気味さを感じている。

 ウクライナ軍としては、ドニエプル川からクリミア半島におけるロシア軍防御部隊を撃破することは容易ではない。

 では、ウクライナ軍はロシア軍の防御組織をどのように破壊しながら攻撃するのか。

 今回は、ドニエプル川からクリミア半島までの範囲の戦闘の一場面である戦闘戦術を考察する。