ウクライナ軍大反攻のカギを握るF-16戦闘機(写真はラスベガスの基地を離陸準備する2機、3月15日撮影、米空軍のサイトより)

 2023年2月下旬、ウクライナに対してロシア軍の総攻撃が再びあると予想された。

 その総攻撃は、ロシア軍総参謀長が指揮を任されたこともあり、かなり大規模なものになるとの予想が多かった。

 だが、3月の末までの地上戦を見た限りでは、総攻撃にはほど遠く、バフムトなど東部の拠点を占拠しようとした、犠牲を顧みない歩兵主体の攻撃であった。

 ロシア地上軍は兵員の損害が多く攻撃衝力がなくなり、限界を迎えつつある。そして、残存兵力は逐次防御に転移している模様だ。

 つまり、ロシア軍は攻撃できないレベルまで落ちてしまったのだ。

 これからの防御も、ウクライナ軍の強大な反撃を受ければ、打ち破られ、その組織は瓦解すると予想されるようになった。

 今後の戦闘の注目点は、ウクライナ軍がロシア軍の最大の弱点を増幅すること。

 つまり、重要拠点を破壊し混乱させること。その後、反撃をいつどのように行うかだ。

 今回は、ウクライナ軍の地上作戦に大きく貢献する航空作戦を考察する。

 地上作戦の予測については、JBpress『ロシア軍バフムト攻勢は大敗北の予兆、クリミア奪還許す可能性大』(2023.3.8)を参照してほしい。