航空自衛隊がパイロットの訓練で使用している初等練習機のT-7でも、巡行速度は時速296キロです。T-7に更新される前に使用していたT-3でも、巡行速度は時速254キロでした。BZK-005はそれよりもさらに低速度です。

 高速を出しやすい戦闘機にとって、低速度で飛行することは困難です。

 こちらのツイートに張られた写真は、T-3がF-15、F-2と同じ速度で飛行している際の写真です。

 低速度のT-3に速度を合わせるため、F-15とF-2は、機体を上向き(高迎角)とし、エンジンのパワーで飛んでいるような状態になっています。このような飛行は、燃料を余分に消費するため、戦闘機の決して長くはない滞空時間がさらに減少してしまいます。

 実際に、BZK-005のような低速度の機体が日本に接近してきた際、機体の細部を確認したり写真撮影を行うために上記ツイートのような飛行をすることもありますが、基本的には近傍で旋回するなどして、余分な燃料消費を防ぎながら監視を行うことになります。気球が接近してきたケースでも同様です。