英語を習う相手はネイティブである必要はない
「僕、コロナ禍中にアメリカ人の先生に英会話を習ったんです。ネイティブの発音を聞き取れるようになりたいと思って。でも、うまくいきませんでした。英語ネイティブは、単語の中の『t』をほとんど発音しません。だけどそれがアジアやアフリカで通じるかというとそんなことはなくて、ちゃんと『t』を発音したほうが圧倒的に通じやすいわけです。
そうなると、『t』を発音しないネイティブの英語は、国際英語なのか、ということになりますよね。むしろ、アメリカやイギリスでしか通じないローカル英語なんじゃないかと。ネイティブしか使わない慣用句なんかもそうです。それを学ぶ必要あるのかな、と。
英語ネイティブの人たちこそ、英語を第二言語、第三言語として使っている人たちに通じるような、“一般的な”英語を話すべきなんじゃないかと、僕は思うんです」
英語に限っては、習う相手はネイティブである必要はない、と高野さんは断言する。
「シンガポール人とビジネスするなら、シンガポール人に英語を習う。そうすれば、現地の事情や文化背景も含めて知ることができます。
ネイティブを見習うべきなのは、発音や言い回しよりも、声量とか喋り方です。僕は最近イラクに行っているのですが、イラク人って、すごくうるさい(笑)。耳元でも怒鳴ってくる。だから、日本では落ち着いて静かに話す僕も、イラクではものすごく怒鳴ってます(笑)。そうじゃないと会話にのっていけないから」