2030年死亡事故ゼロは実現できるのか

 スバルは自社の将来技術を総括的に説明する場として、2020年1月に「SUBARU技術ミーティング」を実施し、スバルの目指す方向性を発信している。

 それによると、同社には大きく2つの目標がある。1つが「2030年に(スバル車の)死亡事故ゼロを目指す」こと。もう1つが「個性と技術革新で脱炭素社会の実現へ貢献していく」こととしている。

 つまり、スーパー耐久シリーズで走らせる車は、そうした2つの目標達成のための“走る実験室”と言うこともできるだろう。

 スバルは事故の原因を自車起因と他車起因に分け、自車起因については、アイサイトなど高度運転支援システムによって65%の削減を目指し、他車起因については、自動通報技術の革新と衝突後の安全強化を進めることで35%削減を目指すという。あわせて「2030年の死亡事故ゼロ」を実現するとしている。

 今後もスーパー耐久シリーズでのデータ収集を含めて、スバルが持つ資産をフル活用して死亡事故ゼロの実現に向けて歩んでいくことになろう。同社は「『事故ゼロ』の実現に向けて、一般道より厳しい条件であるレース(環境)でアイサイトの画像認識などを鍛えていく」という。

 だたし、本格的モータースポーツの運転は、今後も、あくまでもドライバーが主体だろう。高度な運転支援に対するシステムの介入については、ある時期に一定の制限が設けられる可能性もありそうだ。

「Team SDA Engineering BRZ CNF Concept」のエンジン。量産車をベースに一部を改良(筆者撮影)