トヨタ「bZ4X」とスバル「ソルテラ」。千葉県内でのプロトタイプ試乗会にて筆者撮影

(桃田 健史:自動車ジャーナリスト)

 BEV(電気自動車)、ハイブリッド車、燃料電池車などクルマの電動化が進む中、様々なタイプの四輪駆動電動車が登場してきた。それぞれのモデルを、メーカーはどのようなコンセプトで開発しているのだろうか?

「bZ4X」「ソルテラ」はなぜFWDベースなのか

 まずは、BEVのトヨタ「bZ4X」とスバル「ソルテラ」だ。

 2モデルは基本設計と部品の多くを共有化しており、いずれも駆動方式はFWD(Front Wheel Drive:前輪駆動)をベースとして、上級モデルでAWD(All Wheel Drive:四輪駆動)を設定している。

 エンジン車やプラグインハイブリッド車に比べると、BEVは駆動系の仕組みがシンプルな構造となる。基本的には車体の中央部に電池パックを置き、前後のいずれか、または前後両方に駆動用モーターを配置する構造だ。

 そのうえで、メーカーの設計思想として、FWDベースとするのか、またはRWD(Rear Wheel Drive:後輪駆動車)ベースにするのかという違いがある。