外観の木の使い方について「さほど珍しくない」と書いたが、全体の立面に占める割合の低さは、さすが隈氏だ。平面がL字に折れてトンネルになっている部分に板を集中させ、最大の効果を得る。『隈研吾建築図鑑』の中で私は何度も「隈氏のデザインはコスパが高い」と書いたが、ここは真骨頂と言えそうだ。

 開館から7日目の土曜日に行ったので、館内は大にぎわいだった。サインが相変わらずいい。

 敷地の一角に、平屋の木造建築がある。カフェなどが入る「まちなか交流広場 ステージえんがわ」だ。

「ふんわりの一方で、こんなに本格的な現代木造を設計できるのか、さすが隈さん」と思ったのだが、スタッフに聞くと、こちらは2016年完成で、隈氏ではないとのこと。後で調べたら、手塚建築研究所の設計だった(構造設計はオーノJAPAN)。なるほど。