(宮沢 洋:BUNGA NET編集長、編集者、画文家)
早稲田大学の「国際文学館(村上春樹ライブラリー)」が本日(2021年10月1日)にオープンする。
それに先立ち、2021年9月22日に行われた報道会見に参加した。この建物は多くのメディアでもさまざまな形で取り上げられると思うので、本記事では「隈研吾建築図鑑の執筆者」×「早大卒」である私だから書けることを中心にリポートする。
※本記事は建築ネットマガジン「BUNGA NET」に掲載された「速報!「村上春樹×隈研吾」早大ライブラリー、アコヤ材で再生した旧4号館はこんな普通の建物だった」の一部を抜粋し、再構成したものです。
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会見には村上春樹氏、国際文学館を支援する柳井正氏(ファーストリテイリング代表取締役会長兼社長)、建物の改修設計を担った隈研吾氏(建築家、早稲田大学特命教授)が出席した。柳井氏は今回の費用12億円を全額寄付した。柳井氏と村上氏は早大の同級生。
プロジェクトの全体像は、10月1日から同館で始まる企画展「建築のなかの文学、文学のなかの建築」(https://www.waseda.jp/culture/wihl/news/415)の説明文(下記)を読んでほしい。職業柄、こういう前書きを読むと赤を入れたくなるのだが、この文章は国際文学館だけあって、分かりやすく、頭にとどまる。
どこにでもある“普通”の建物だった早稲田キャンパス旧4号館。村上春樹の作品世界との呼応を意図する建築コンセプトのもと、建築家・隈研吾氏(1954-)によるリノベーションを経て、大きく様変わりしました。象徴的な流線形をした外観トンネルや階段本棚、家具や館内サインのひとつひとつに至るまで、何度も話し合いが重ねられ、その都度、方向転換をしながら進められてきました。