原辰徳監督(写真:AP/アフロ)

 まさに青息吐息の勝利だった。巨人は敵地・神宮球場で7月18日、セ・リーグ首位の東京ヤクルトスワローズを相手に10―8と逆転勝利し、連敗を5で止めた。先発マウンドに立ったエースの菅野智之投手が初回から満塁弾を浴びるなど7回途中4被弾7失点。それでも両軍7本塁打が飛び交う乱打戦の末、最後は丸佳浩外野手が9回に勝ち越しの19号2ランを放って試合を決めた。

 同18日のゲーム終了時点でセ・リーグの2位から5位までの差は僅か1.5ゲーム。空前絶後の“乱セ”の中で巨人は4位に浮上したものの勝率5割を切ったままであることに変わりはない。

 しかもこの日、エースが初回からグランドスラムを叩き込まれたことでチームはプロ野球史上ワースト記録の4戦連続満塁弾を献上。投手力の不安定ぶりは相変わらずだ。最大11あった貯金は底をつき、直近11戦で2勝8敗1分け、さらには2018年シーズン以来4年ぶりとなる借金3ともがき苦しんでいる。

失速で燻り始めた原監督への批判

 低空飛行を続けるチームで批判の矢面に立たされているのは原辰徳監督だ。

 同17日の広島東洋カープ戦(東京ドーム)では同一カード3戦連続で満塁弾を浴びせられ、今季ここまで東京ドーム全勝を誇っていた相手にチームは屈辱の3タテを食らった。各メディアの報道によれば、この日の敗戦後に指揮官は「選手は一生懸命、懸命にやっている」とかばい、連日にわたって大炎上した投手陣の投球内容について「やっぱり私とコーチ陣の指導が悪いということですよ」と自責の念も口にしたという。それはまるでネット上を中心に飛び交う自らへのバッシングを悟っているかのようにも感じられた。

 2019年シーズンからスタートした「第3次政権」において原監督は今季就任4年目。2002年から2003年までの「第1次政権」、2006年から2015年までの「第2次政権」と併せれば実に通算16年目となる。こうした背景と照らし合わせ、現在の急失速ぶりを「長期政権の弊害」と指摘する声は少なくない。