どちらかというと歓迎する声は少ないようだ。巨人の原辰徳監督が球団側と来季から新たに3年契約を結び、続投することになった。15日に東京・読売新聞社内で山口寿一オーナーにシーズン終了報告を終えた後、自ら明かした。
「日本一」か「リーグ3連覇」を花道に退任を考えていたが
ここまで2年連続リーグVを達成したものの、いずれの年も日本シリーズでは福岡ソフトバンクホークスに1勝もできず計8連敗。契約最終年となる就任3年目の今季はリーグ3連覇と9年ぶりの日本一奪回を目指したが、終わってみれば借金1のリーグ3位に沈み、クライマックスシリーズ(CS)もファイナルステージ(S)でリーグ優勝チームの東京ヤクルトスワローズに0勝3敗(アドバンテージ含む)と完敗を喫した。
リーグ3位が確定した直後、山口オーナーが原監督の続投を明言すると主にネット上を中心に激しい反発がG党もアンチも問わず沸き起こっていた。そしてCS敗退後、くだんの「3年契約」が原監督自身の口から明らかになり、ブーイングはピークに達している。
一部の舌鋒鋭いプロ野球OBから「辞任勧告」まがいの論評が相次いで飛び出していることも、3年の契約延長によって計6年の長期政権になることに対する巷の批判を大きく煽っている。
だが、これだけはハッキリしている。原監督も巨人もわざわざ墓穴を掘り、誤った選択をしようとしているつもりなどあるはずがない。入念なシミュレーションとリサーチに基づき現状でベストの方向性を見定め、トップの山口オーナーを筆頭とした球団、親会社の読売新聞グループ本社が今後も全権監督の原監督に託し「原体制続投」の結論を、ある程度の批判も織り込み済みの上で出したということだ。次期監督の有力候補となっている阿部慎之助作戦コーチ(来季からオフェンスコーチ兼務)への“禅譲”は現在も既定路線と見られているが、やはり来季からの一軍監督就任は「時期尚早」と判断されたようである。