(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 ため息を漏らしたファンは多かったはずだ。MLB(米大リーグ機構)は7月2日(現地時間=以下同)、6月の月間MVP各賞を発表。有力候補と目されていたロサンゼルス・エンゼルスの大谷翔平投手は選出されず、3度目の受賞とはならなかった。

 ただ、6月の投打にわたる孤軍奮闘ぶりは凄まじかった。投手として5試合に登板し、4勝1敗、防御率1.52をマーク。6月の月間4勝はリーグトップタイで自己最多としていた。

 22日のカンザスシティ・ロイヤルズ戦でメジャー自己最多の13三振、29日のシカゴ・ホワイトソックス戦では11三振を奪うなど三振の山を築き上げた。この6月は29回2/3を投げ、イニング数をはるかにしのぐ38奪三振数を記録している。野手としても月間打率2割9分8厘、6本塁打、17打点、OPS(出塁率+長打率).972と投打で大暴れを見せた。

大谷の孤軍奮闘も虚しくチームは……

 エンゼルスが公式ツイッターで示した数字によれば、大谷の投打にわたる成績を9日のレッドソックス戦以降に限定すると4先発で4勝、防御率も0.34。打者としても打率3割5分5厘、OPSは1.189という脅威の数字に達していた。

 それでも大谷に朗報が届くことはなかった。ア・リーグでは月間最優秀野手にヒューストン・アストロズのヨルダン・アルバレス外野手(9本塁打、28打点、4割1分8厘)、同リーグの最優秀投手にはホワイトソックスのディラン・シース投手(2勝1敗、防0.33、27回1/3を投げて45奪三振)が選出された。

 少なからず異論もあるようだが、アルバレスが野手の3部門すべてで大谷を上回る成績を残し、シースは登板イニング数と勝ち星こそ下回るものの防御率を0点台前半とした上で大谷以上の三振数を奪っている点を総合的に判断すれば妥当なところなのかもしれない。