見切りをつけてしまうのか、それとも……。ロサンゼルス・エンゼルスに所属する大谷翔平投手の去就が注目されている。来年のシーズンオフにFA権を取得する予定の二刀流を巡り、米メディアやMLB関係者はここにきて他球団への移籍説を一斉に唱え始めているのだ。
その背景に崩壊状態へと陥ったエンゼルスの惨憺たる内情があることは言うまでもない。6月8日の本拠地ボストン・レッドソックス戦で1シーズンとしては球団ワースト記録を更新する悪夢の14連敗を記録。泥沼にハマり込んだ連敗の責任を負わされる形でチーム指揮官のジョー・マドン監督は7日の時点で球団から途中解任された。
この絶望的な流れに歯止めをかけたのが、大谷だった。
大谷翔平、復調の兆し
本拠地エンゼルスタジアムで先発マウンドに立ちながら「2番・指名打者」の投打同時出場でラインアップされた6月9日のレッドソックス戦。リアル二刀流として投げては強力打線を相手に7回を4安打1失点で今季4勝目、打っても12号逆転2ランを含む4打数2安打2打点と孤軍奮闘し、窮地のチームに5月24日のテキサス・レンジャーズ戦以来となる半月ぶりの白星をプレゼントして救った。
次の6月10日の本拠地ニューヨーク・メッツ戦でも「2番・指名打者」で先発出場し、4打数1安打で7試合連続安打を記録したもののチームは敗戦。しかし「3番・指名打者」として15試合ぶりの3番先発起用となった翌6月11日の同球場メッツ戦では、13号2ランを放つなど8試合連続安打および3安打3打点をマークし、チームの大勝に大きく貢献した。この試合では第5打席で三塁打が出れば、自身二度目のサイクルヒット達成だったが、四球に終わって惜しくも快挙には手が届かなかった。