2017年9月、早稲田実業3年生時、プロ志望を表明した際の清宮幸太郎選手(写真:YUTAKA/アフロスポーツ)

 いよいよ覚せいの時を迎えたのだろうか――。

 今季でプロ5年目となった北海道日本ハムファイターズ・清宮幸太郎内野手のことだ。29日に本拠地・札幌ドームで行われた巨人戦で「3番・一塁」で先発出場し、3打数2安打。打率を2割2分8厘へ引き上げた。

 4点リードの6回の第4打席では3番手・戸田懐生投手から内角低めの直球を強振し、右翼フェンスを直撃する二塁打を放った。続く4番・野村佑希内野手の適時三塁打で本塁生還を果たし、ダメ押しとなる7点目のホームイン。得点にこそ絡まなかったが、8回の第5打席でも4番手・平内龍太投手に追い込まれながら153キロのストレートを弾き返す中前打で複数安打とした。

 チームも7-2で大勝し、巨人相手に交流戦初のカード勝ち越しを決めた。この日“終わってみれば”勝利に貢献した清宮は前日の試合に続いて存在感を示す格好となった。

一試合2ホーマー

 前日28日の試合では3回の第2打席で相手の巨人先発右腕、MLB通算46勝を誇るマット・シューメーカー投手の投じたツーシームを右翼スタンドへ叩き込み、17試合ぶりとなる先制の5号ソロ。2点を追う第3打席でもシューメーカーの甘く入った直球をバットの真芯で完璧にとらえる豪快なフルスイングとともに右翼席中段まで運んだ。

 この日のチームは結局勝てなかったものの、今季2度目となる2打席連続本塁打をマークした清宮の打棒爆発に本拠地スタンドも大きく沸き返った。清宮が2発目を叩き込んだ直後、ベンチでビッグボスこと新庄剛志監督が林孝哉ヘッドコーチの頭を押さえながら大喜びしていたシーンは印象的だった。

 ここまでビッグボスは古巣の指揮官に就任以来、アメとムチを使い分けながら一向に開花の兆しを見せられない清宮の徹底強化を図り続けている。