2021年、歴史に残る活躍を見せてくれた大谷翔平選手(写真:AP/アフロ)

 文句なしの快挙達成だ。米MLB(メジャーリーグ)のロサンゼルス・エンゼルスに所属する大谷翔平投手が7日、専門誌「ベースボール・ダイジェスト」の野手部門の最優秀選手(MVP)に選出された。MLB取材に長きに渡って携わる全米野球記者協会(BBWAA)の会員ら19人が投票し、1位の16票を集めて受賞となったことを同誌が発表した。

 投打の二刀流で今季大活躍。打者としてア・リーグ3位の46本塁打、100打点、26盗塁をマークし、投手では9勝2敗、防御率3.18、156奪三振と二刀流を1シーズン完遂した末に素晴らしい成績を残した。

 1918年のベーブ・ルース以来となる「2桁勝利、2桁本塁打」には惜しくも1勝足りなかったとはいえ、選手個々の技術等が格段に進化した時代背景を考えれば、大谷の記録は103年前の快挙を優に超えるものと評していい。

 今季はMLB史上初めて球宴に投手、野手として同時に選抜されただけでなく「100イニング」「100奪三振」「100安打」「100打点」「100得点」の前人未到の大記録も成し遂げている。ゆえに分業制が確立された現代野球において二刀流・大谷の同誌野手部門としてのMVP選出はMLB取材で権威のある有識者たちから高い評価と“ルース越え”のお墨付きを与えられたとみてもいいのではないだろうか。

投手としても躍動した大谷翔平。もちろんシーズンMVPの最有力候補だ(写真:AP/アフロ)

シーズンMVPも確実視

 いずれにせよ、これによって次の快挙達成として注目が集まるア・リーグMVP受賞にも大谷にとって追い風となった感がある。アメリカン、ナショナル両リーグMVPは前出の同誌主要部門賞と同じくBBWAAに所属する記者30人の投票によって決定する。MVP、新人王、サイ・ヤング賞とともに投票は4日(日本時間5日)のシーズン終了直後にすでに締め切られ、発表はワールドシリーズの終了後になされる。

 現在はポストシーズンの真っ最中だが、米スポーツ専門局「ESPN」など主要メディアに属する識者やビートライター(担当記者)、さらに大物OBからは軒並み大谷のア・リーグMVP選出「当確」を予想する声が日を追うごとに高まっている。