「ウクライナ軍の司令官は人手不足で、必死だ」

 ルース氏は、ウクライナ政府は外国人がここに来て戦いに参加することを簡単には認めないと説明した。「しかし、私はウクライナ軍の司令官を知っている。彼らは人手不足で必死なんだ。毎日電話がかかってくる。“ライアン、誰かに来てもらえないか”ってね。私に会いに来てくれれば、大使館で煩雑な手続きをしなくても10分で部隊に入れてあげるよ」

ライアン・ルース氏(筆者撮影)

 所属した部隊が給与をくれることもあるが、基本的に「外国人志願兵はウクライナに来る飛行機代も、自分たちの装備も自費で買い、食べ物も自分で持って来なければならない。全部、個人のお金だ。車を売り、家を売り、すべてを売って資金を作ってくる。私もここに来るためにすべてを売り払った。政府のお金はないんだよ」とルース氏は強調した。

 軍隊の未経験者を訓練するため米軍や英軍のトレーナーはウクライナ国内にたくさんいるという。しかしルース氏の話だけでは、現役なのか、退役軍人なのかはっきりとは分からなかった。「志願兵」のことを英語では「ボランティア」という。戦闘地域では「志願兵」と「ボランティア」の区別はつきにくくなるだろう。

 暗いバンの荷台に乗り込み、扉を閉めれば、死と背中合わせの戦闘地域の手前まで連れて行ってくれる。

「善のために戦いたければウクライナ独立記念碑のそばに座っているライアンを尋ねてくるだけでいい。すぐに前線に連れていってあげるよ」

 しかし、そこには命の保証も何もない、危険な任務が待ち受けている。