子供の強制移送は戦争犯罪の中でも最も重いジェノサイド
子供の強制移送は、国家、民族、人種、宗教的集団の全部または一部を破壊する意図を持った行為を違法とする1948年のジェノサイド条約に基づき戦争犯罪の中で最も重いジェノサイドとして認定される。ウクライナの人権オンブズマン、リュドミラ・デニソヴァ氏はロシアが占領する東部ドンバスなどから21万人以上の子供を移送したと述べている。
同委員会のヤスミンカ・ドジュムフール氏は子供の強制移送について「すごい数の子供たちがロシア軍に占領されている地域から消えているという証言がある。こうした子供たちにロシア国籍が与えられているという話もあるが十分な証拠を集めるのは難しい。だからこそロシア側から事情聴取する必要がある」と述べた。
プーチン氏はウクライナ経済にダメージを与えるため、電気や水などのインフラ、農業セクターや農産品の供給ルートを破壊している。同委員会はこうしたロシア軍の破壊活動についても証拠を収集する。キーウ経済大学の推計では、この戦争でウクライナのインフラに生じた直接的な損害は6月8日現在で1039億ドルにのぼるとみられている。
ウクライナ最高議会のオレナ・コンドラチュク副議長によると、ウクライナの司法機関は、5000人以上の殺人と6000人以上の民間人の負傷に関して1万6000件以上の戦争犯罪と侵略犯罪を捜査しているが、日々、数は増えている。英国をはじめ42カ国の要請により国際刑事裁判所(ICC)も独自に本格的な捜査を行っている。