バイデン大統領と習近平主席(写真:AP/アフロ)

 ついこの間まで「米中新冷戦」と言われていた世界は、ロシアのウクライナ東部への事実上の「侵攻」に伴い、一気に「米ロ新冷戦」に転換しつつある。

 そこで注目されるのが、「三大国」の一角である中国の「立ち位置」だ。中国は、一方的にロシア側に付くのか? それとも・・・。

ブリンケン国務長官、王毅外相に「SOS」

 日本時間の2月22日未明、ロシアがウクライナ東部のドネツク、ルガンスク地方のそれぞれの独立を承認した。すると同日、中国が朝になるのを待って、早くもアメリカのアントニー・ブリンケン国務長官が、王毅(おう・き)国務委員兼外相に電話をかけた。アメリカが、ロシアの最大の貿易相手国であり、「準同盟」的関係を築く中国に、SOSを出したのである。

 昨年の中ロの貿易額は1400億ドルを超え、史上最高額を記録した。また、習近平主席とウラジーミル・プーチン大統領の首脳会談は、今年2月4日の北京会談で、計38回を数える。

 新華社通信が、このブリンケン・王毅電話会談の一部内容を伝えた。それによると、王毅外相はこう述べた。

「中国はウクライナ情勢の変化を注視している。ウクライナ問題に対する中国の立場は一貫している。どんな国家の合理的な安全への懸念も、尊重されねばならない。国連憲章の主旨や原則は、維持され、保護されねばならない。

 ウクライナ問題がいま変化しつつあるのは、新ミンスク条約(2015年2月のウクライナ・ロシア・フランス・ドイツの合意)が、遅々として有効的に執行されていないこととも密接に関わりがある。中国は引き続き、事象そのものの是非に照らして、各方面と接触していく。

 ウクライナ情勢は、いままさに悪化している。中国は再度、各方面に抑制的な対処の保持を呼びかける。安全保障の不可分性の原則を実行することの重要性をしっかり認識し、対話と交渉を通じて事態を緩和させ、意見の相違を和らげていくことを求める」

2015年2月、当時国務副長官だったブリンケン氏は訪中し王毅外相と会談している(写真:代表撮影/ロイター/アフロ)