3月4日午前、台北。与党・民進党系のシンクタンク「遠景基金会」が主催した講演会の演台に、台湾で「邁克・龐皮歐」と表記される男が着席すると、割れんばかりの拍手が沸き起こった。マイク・ポンペオ前米国務長官(58歳)である。3月2日から5日まで、スーザン夫人を含む一行12人で、台湾を初訪問したのだ。
昨年1月までドナルド・トランプ前大統領の最側近だったポンペオ前長官は、「堅若磐石」(堅固で盤石の意志を持つ)という四字熟語が書かれたマスクを付けていた。知人の台湾人記者に聞いたら、「台湾独立の意志、アメリカが台湾を支える意志、そして自分が次期大統領になるのだという意志を掛け合わせた意味ではないか」と推測していた。
ポンペオ氏のダイエット、次期大統領選への意欲の表れ
もう一つ意外だったのは、激ヤセしていたことだ。これについても台湾人記者が解説する。
「何でも半年間で40kgものダイエットに成功したそうだ。自宅の地下にジムを作って、必死にダイエットに励んだのだと述べていた。『自分の体重も管理できない男に国を管理することはできない』――アメリカの有権者たちからそう揶揄(やゆ)されることを恐れて、次期大統領選出馬前に『成果』を見せたのだろう」
そんなポンペオ前長官は、わずか20分ではあったが、なかなか衝撃的なスピーチを行った。その大意は、以下の通りだ。