少子高齢化に伴う国内市場の縮小は今に始まった話ではない。ただ、国内の新車販売に関していえば、リーマンショックやエコカー補助金の終了、東日本大震災などがあった2008年度から2011年度にかけては新車販売台数が年間500万台を割り込んだが、その後は500万台超を維持してきた。だが、そんなトレンドも変わりつつある。新車販売台数の今後をSMBC日興証券の宮前耕也氏が読み解く。
※本記事には多数のグラフが出てきます。うまく表示されない場合は以下をクリックください(https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/66712)
(宮前 耕也:SMBC日興証券 日本担当シニアエコノミスト)
登録車と軽自動車を合わせた新車販売台数は、2016年度から2019年度にかけて年間500万台超を維持したが、2020年度に466万台へ落ち込み、エコカー補助金終了や東日本大震災があった2010年度以来の低水準を記録した。
2020年度に新車販売台数が大幅に減少した主因は、2020年4~5月に発令された1回目の緊急事態宣言だ。未知の新型コロナウイルスへの感染を回避するため、企業活動や消費者行動は広範に自粛を迫られた。
自動車についていえば、各メーカーは工場の休止や稼働縮小により大規模な生産調整を図ったほか、販売店は休業や営業時間短縮を余儀なくされた。その結果、昨年5月の新車販売台数は前年同月を4割超下回った。