2020年12月、ブラジル国立宇宙研究所(INPE)は、2019年8月からの1年間に失われた森林は1万1088平方キロ(1日あたり東京ドーム650個分)と発表。環境問題が深刻なアマゾンだが、奥地にはまだこんな水と原生林の世界が広がっている。こういう密林の果てに100mの大蛇がいるのか?(空撮・山根事務所)
(注)ネット上では出所不明、虚偽の疑いがある大蛇写真が拡散しているため、本記事に掲載する写真のうち山根一眞所蔵写真や図については出所を明確にするため「Archives of Kazuma Yamane」のバナーを入れてあります。

(山根 一眞:ノンフィクション作家)

 アマゾンで「信じられない超巨大アナコンダがいた」と真顔で話す人に何人にも会ってきた。いずれも虚偽の噂話にすぎないと思っていたが、「今、奥地に100mの大蛇が出ている」と聞き、じっとしていられなくなった。1994年7月、27年前の話なのだが。

 1979年7~8月のアマゾン訪問(取材)は、同年10月にアマゾンの日本人移住50周年祭を迎えるため、日本人移住者の50年間の記録を出版するのが目的だった。私は、彼らの開拓冒険談を中心にまとめようと思い、約1カ月半、アマゾン全域に日本人移住者を訪ね、アマゾンならでは驚きの物語を多く聞き集めた。

アマゾン訪問を繰り返して来年で50年になる。20数回にわたる取材地を赤丸で記した。今ではもう得ることができない膨大な写真やビデオ記録が残っており、今回の大蛇の顛末もその一つだが、まだまだ行きたい土地が多く残っている。しかし新型コロナウイルス感染症が収まらないため再訪できず忸怩たる思いだ。(Herve Collart Odintらによる『AMAZONIA A ULTIMA FRONTEIRA』 1988年ブラジル刊)収載の地図を彩色、加工した)
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インド人青年が大ナマズに飲み込まれた?

 ブラジル・アマゾンでの日本人50年の移住史(開拓冒険物語)の取材は、1979年夏にアマゾンを河口の大都市、パラー州の州都、ベレン(当時の人口は推定100万人、2012年の統計では208万人)をが振り出しだった。まず、国際協力事業団(現「JICA」)の仁科雅夫支部長を訪ねたところ、いつしか大蛇話になっていた。仁科さんは、「20年前だが100mの大蛇の写真を見た。軍隊1個中隊が出て、その大蛇を機関銃で殲滅した」と言うのだ。

100mの大蛇話を紹介した拙著とそのページ。
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