(山根 一眞:ノンフィクション作家)
アマゾンで「信じられない超巨大アナコンダがいた」と真顔で話す人に何人にも会ってきた。いずれも虚偽の噂話にすぎないと思っていたが、「今、奥地に100mの大蛇が出ている」と聞き、じっとしていられなくなった。1994年7月、27年前の話なのだが。
1979年7~8月のアマゾン訪問(取材)は、同年10月にアマゾンの日本人移住50周年祭を迎えるため、日本人移住者の50年間の記録を出版するのが目的だった。私は、彼らの開拓冒険談を中心にまとめようと思い、約1カ月半、アマゾン全域に日本人移住者を訪ね、アマゾンならでは驚きの物語を多く聞き集めた。
インド人青年が大ナマズに飲み込まれた?
ブラジル・アマゾンでの日本人50年の移住史(開拓冒険物語)の取材は、1979年夏にアマゾンを河口の大都市、パラー州の州都、ベレン(当時の人口は推定100万人、2012年の統計では208万人)をが振り出しだった。まず、国際協力事業団(現「JICA」)の仁科雅夫支部長を訪ねたところ、いつしか大蛇話になっていた。仁科さんは、「20年前だが100mの大蛇の写真を見た。軍隊1個中隊が出て、その大蛇を機関銃で殲滅した」と言うのだ。