渦巻く銀河を見えないダークマターが取り囲んでいるイメージイラスト。 Image by ESO / L. Calçada, under CC BY 4.0.

(小谷太郎:大学教員・サイエンスライター)

 宇宙には超巨大ブラックホールなるものが浮いていて、周囲の物質を飲み込んだり、ガンマ線やX線をぎらぎら放ったりしています。が、このモンスターがいつどのように生まれたかは、分かっていません。

 また、宇宙空間を満たす正体不明の物質ダークマターは、そこにそいつが存在することだけは確かなのですが、どういう種類の物質なのか、どうやれば観測できるのか、いまだ不明です。

 このダークマターが集まって超巨大ブラックホールを作ったのではないか、という理論研究が先日発表されました。なんだか訳の分からないもので訳の分からないものをやっつけたようなお話です。

天の川って何でできてる?

 灯火のない暗い夜空にはぼんやり天の川が見えます。

 天の川の雲のような霞のような白い光は、無数の恒星から成りますが、肉眼では一個一個の恒星は見えません。恒星像を分解するには望遠鏡が必要です。

 このように無数の恒星が集まって見えるものを銀河と呼びます。

 天の川は銀河のひとつです。私たちの太陽系は天の川銀河のひとかけらです。

 では、

「天の川銀河は何でできてる?」

と聞かれたら、なんと答えるべきでしょうか。

 上の説明を読んだ方なら、普通は「恒星」と答えるでしょう。