心が揺れ動いた。嘘話でもいい。なぜ、繰り返し「100mの大蛇話」が出てくるのか。
だが、その「現地」はマナウスからおよそ500kmも北上したヴェネズエラ国境近くだ。そこへ行くには船で往復数週間かかる。本来の目的の取材を数週間空白にはできないので飛行機で行くしかない。空港へ行き、奥地に詳しいパイロットに会ったところ、こう言うのだ。
「最寄りの村には飛行機が降りられる場所があるので行ける」が、その村への500kmは密林ばかりで途中に着陸できる場所がない。万一のエンジントラブルに備えて双発プロペラの小型機でなければ無理だ」
アマゾンではセスナ機のような小型単発機はタクシー代わりによく利用されている。しかし双発機となれば料金は数倍するが、チャーターすることにした。料金は日本円で30~40万円だったと思う。
あり得ない噂なのに大金を払ってしまったが、「大蛇」とはそんな風に人を振り回す魔物なのだ。
巨大生物の存在を語る村の人たち
当時は、アマチュアが手にできる小型高画質のミニDVビデオカメラの登場前だったが、私は、この100m大蛇探しの一部終始を小型の8ミリビデオカメラで撮影記録した。以下はそのビデオ画像をキャプチャ構成したものだ。写真に付けた番号に沿って説明していく。
(1)マナウス空港でチャーターした双発プロペラ機。目的地の村では航空燃料の補給はできないため、復路のための航空燃料を入れたポリタンクを座席にいくつか積み込んだ。
(2)アマゾン河支流の上空を飛ぶ。
(3)あとはどこまでもこういう密林が続いていた。