4.その他の国々の極超音速兵器プログラム
米・ロ・中のほか、豪、印、仏、独などの多くの国でも極超音速兵器技術を開発している。
インドは、マッハ7の極超音速巡航ミサイルである「ブラモス(BrahMos) II」の開発でロシアと協力している。
ブラモス IIは当初、2017年に配備される予定であったが、報道によると、プログラムは大幅な遅延に直面しており、現在、2025年から2028年の間に初度作戦能力(IOC)を達成する予定である。
また、インドは極超音速技術実証飛翔体プログラムの一環として、国産の極超音速巡航ミサイルも開発しており、2019年6月にスクラムジェットでマッハ6のテストに成功したと報じられている。
イラン、イスラエル、韓国などの国々は、極超音速気流と推進システムに関する基礎研究を行ってきたが、現時点では極超音速兵器能力の獲得を追求していないと見られている。
最後に、日本は極超音速巡航ミサイル(HCM)と極超音速滑空弾(Hyper Velocity Gliding Projectile:HVGP)を開発している。
軍事専門誌ジェーンによると、日本は2019年度にHVGPに1億2200万ドルを投資した。
また、日本は、空母を無力化するための(筆者加筆: HCM)弾頭と、地域制圧のための(筆者加筆: HVGP )弾頭を開発する計画であると報道されている。これらの弾頭は2030年に実戦配備されると見込まれている。
(筆者加筆:HVGPについて防衛省の説明文には超音速とあるが、上記米議会調査局の作成した調査報告書 では、両者とも“極超音速兵器”であると紹介されている)