②3M22ジルコン(Zircon)
ロシアは、アバンガルドに加えて、マッハ6~8で飛行する艦船発射型HCMのジルコンを開発している。
ジルコンは地上部隊および海上部隊の両方の標的を攻撃可能であり、射程は約250~600マイルで巡洋艦やフリゲート艦などに搭載された垂直発射システムから発射される。
また、2020年1月にフリゲート艦からのジルコンの発射に成功したと報じられている。米国の情報機関の報告書には、ジルコンは2023年に初度作戦能力(IOC)になると記載されている。
③キンジャール(Kinzhal)
さらに、ロシアは、短距離弾道ミサイル・イスカンデルを改修した機動性を有する空中発射弾道ミサイルの「キンジャール(Kinzhal)」を配備したと報じられている。
米国の情報機関の報告によると、キンジャールは、2018年7月、「MiG-31」戦闘機からのテスト発射に成功し約500マイルの離れた標的を攻撃した。米国の情報機関によると2020年までに実戦配備されると見込まれている。
ロシアはミサイルをMiG-31と「Su-34」の両方の長距離戦闘爆撃機に搭載する予定である。また、ロシアはミサイルを「Tu-22M3」戦略爆撃機にも搭載できるよう取り組んでいる。
しかし、動きの遅い爆撃機では、「武器を正しい発射パラメータに加速する」という課題に直面する可能性がある。
ロシアのメディアは、MiG-31から発射されたキンジャールの最高速度をマッハ10、航続距離は最大1200マイルと報じている。
また、キンジャールは地上部隊およびと海上部隊の両方の標的を攻撃するだけでなく、最終的には核弾頭を搭載することができる。
しかし、キンジャールの性能・特性に関するそのような主張は、米国の情報機関によって公式に検証されておらず、多くの軍事アナリストは、懐疑的な見方をしている。