どのような遺伝子型を持つ新型コロナウイルス「株」が、どのエリア、あるいはどのような生活圏の広がりから発見されているか、それをアーカイブ化する地域の「防疫ビッグデータ」構築に取り組んでいただきたい。

 PCRを「感染した」「しなかった」という個人の疾病の判じ物に使うのは、広域にわたる予防公衆衛生という観点から見ると、宝の山を捨てているのに等しい愚挙と言わねばなりません。

 たとえていうなら、盗賊がピラミッドに侵入して、目の前に宝の山がたくさんあるのに、その価値を理解できず「ミイラ、ミイラ」と特定の目的に囚われて、大半の収獲をみすみすとり逃がすのに似ています、

 いま、世界的には第1波の真っ最中ですが、日本では一度収まったかに見えた感染が、「GoToキャンペーン」のかけ声とともに再度拡大している真っ最中です。

「クラスター」に捉われて近視眼の視野狭窄に陥ってしまうと「感染経路不明何人」といった話になりますが、はっきりいってそんなことは大した問題ではない。

 広域で市中感染が発生している状況では、どのような遺伝型をもつ「コロナウイルス株」がどんなふうに拡大しているかを見る方が、よほど本質的な対策になります。

 世界は「ゲノム・ビッグデータ解析」ベースで新型コロナウイルスへのスマート対策に「知識集約型社会ならではの「データ駆動型ソリューション」で向き合おうとしています。

 先進諸国は言うまでもなく、OECD(経済協力開発機構)未加盟の途上国でも、手書きの報告書をファクスで送信したりはしていないところが多い。

 知識駆動型社会の基本インフラから整備しなければ、「ビッグデータ解析」以前にデータそのものが手製のエクセルファイル程度以上に充実したものに、なりようがない。

 日本全体、あるいは東京都の施策などは、こうしたグローバル・トレンドに完全に乗り損ねた「20世紀の遺物」以前にとどまっています。

 世田谷区を筆頭に、小さな範囲からでもよい、ゲノムでマーキングしたコロナウイルスの蔓延状況を、データ駆動型ソリューションで克服する、世界に先駆けるモデルケースとなってほしいと思います。

(つづく)