4 日本はいかに対応するべきか

 中国潜水艦の意図および能力から、現時点では西太平洋への展開に係る海域などへの慣熟を実施している段階と考えられる。

 海上自衛隊が、接続水域を航行中の潜水艦を継続追尾していることから、ある程度中国潜水艦の活動は確認できているのではないかと考えられる。

 しかしながら、中国は約60隻の潜水艦を保有しており、同時に複数隻展開させることが可能である。

 その場合、海上自衛隊の兵力だけですべてを追尾することは困難であろう。何隻かの中国潜水艦は日本周辺海域において自由に行動しているという可能性は否定できない。

 駆逐艦対潜水艦の戦いに「眼下の敵」という映画がある。

 この映画は第2次世界大戦中の米海軍駆逐艦とドイツ潜水艦の戦いを描いた潜水艦映画の古典ともいえるものである。

 互いが知恵を絞り、能力を最大発揮し戦い、最終的には双方が沈没した。救助された口官と潜水艦の艦長は互いの健闘を称えるといった騎士道精神あふれるものである。

 しかしながら、現在日本周辺で遊弋している中国潜水艦は、騎士道精神のかけらもない国益のみを最優先する危険な存在という認識が必要である。