3 中国潜水艦の作戦能力を検証する

 2018年1月および本年6月の場合、海上自衛隊の追尾を受けつつ1日半から2日間にわたり潜没航行している。この間の速力は3ノット程度の極めて低速であったと推測される。

 今年6月の潜水艦も、2日間以上潜没航行を行っていることから、長期潜没行動が可能な、「商」級SSNまたは「元(Yuan)」級AIP搭載潜水艦と見積もられる。

 両事象ともに、2日間にわたり低速航行で接続水域のみを航行していることから、高い精度の潜航航行能力を保有しているものと推定できる。

 一方で、2018年1月に最新の原子力潜水艦が公海上で浮上し、国旗を掲揚したことが注目される。

「商」級SSNは中国A2/AD戦略の中核兵力である。潜水艦が浮上し国旗を掲揚するということは、白旗を挙げたにも等しい。

 おそらくは、長期間の追尾に疲弊し、これ以上追跡するなという意思表示として浮上し、国籍を明らかにしたというのが真実に近い。

 前述のとおり、中国潜水艦は長距離巡航ミサイルを搭載している。

 中国が保有する長距離巡行ミサイルは「YJ-18」および「CJ-10」である。キロ級潜水艦と同時にロシアから導入した射程約300キロの「SS-N-27」(シズラー)を参考に開発したのがYJ-18である。

 CJ-10対地巡航ミサイルは射程が2000キロを超えるが、現在確認されているのは地上発射型と空中発射型のみである。

 YJ-18の対地攻撃バージョンおよびCJ-10の艦上または潜水艦発射バージョンが開発される可能性は否定できない。

 対地攻撃の場合、座標を入力すれば後は地形照合などの誘導装置を活用できる。射程が300キロであれば、駿河湾のはるか南方沖から東京を攻撃することができる。

 CJ-10であれば、東シナ海から東京を攻撃することができる。