地方のマッサージ店で病気の話をしたところ、「我々は病院には行かないで漢方薬で治す」と聞いた。

 地方に行くと、病院は少ない。個人医療保険制度は整備されていると聞くが、病院に行けるのは、金持ちだけなのかと感じたものだ。

 つまり、中国国営放送が流す病院での治療などはPR用であり、SNSで流される映像は真実であるが、貧困層の実情は全く違うものではないだろうか。

 中国当局でも、新型肺炎の患者数を掌握し切れないのが実情だろう。

 医療機関も少なく、そして医療器具や治療薬も少ないことから、十分な治療を受けられず、死亡していく人民が多いのだろう。体育館に集められた患者は、死を待つだけなのかもしれない。

新たなウイルスが発生する危険性

 中国は一帯一路政策により、陸路や海路となる国家や都市の開発に大量の資金を投資している。

 一方で、国内特に地方の整備は後回しになっている。そのため、ゴミ処理、汚水・排泄物の処理、工場や車からの排出ガスの処理が行われず、土壌、川や海の水、大気が汚染された。

 人々の肺がダメージを受けていることに加えて、特殊なウイルスが繁殖し、人に侵入し伝染していった。そして、4万人を超える感染者や1000人を超える死者が出ている。

 発生当初に隠蔽したことが、感染拡大の大きな原因となっていることも事実だが、筆者が中国の地方の衛生の問題を多数見てきた見地から述べると、地方の汚染事情が、発生と拡大、そして人民を死に至らしめた大きな要因になっているのではないかと考える。

 中国が新型肺炎の拡大を食い止め撲滅するには、人の移動を止め続けることと、医療措置が重要であることに変わりはない。

 しかし、ウイルスの発生源を根絶し、人民の健康を保たなければ、新型肺炎を撲滅できず長期化する危険性がある。

 中国が海外に進出することよりも、土壌汚染、空気汚染、河川や海の汚染の解決など国内の整備を重視して行わない限り、新型ウイルスの蔓延は継続し、汚染や細菌を世界にばら撒くことになる。

 もし今年、一時的に収まったとしても、来年あるいは数年後に同様のことが起きると考えるべきだろう。

 日本企業も世界の企業と同様に、中国に農産物や工業製品の生産拠点を移してきたが、中国の汚染が改善されなければ、いったん収まった後でも、次から次に新型ウイルスが発生して、農産物の危険性は増し、工場が稼働できなくなるなど、これからも当然起こり得る。

 日本はこれから、7~9月のオリンピック・パラリンピックなどを迎える。中国に進出している日本の製造業は、工場を再開できるのか不安であろう。

 拡大した新型肺炎がいつまで続くのか、いつ頃終息するのか、終息した後に再発するのかについての予測をする場合の、参考になればと思う。