北朝鮮の金正恩委員長は、心情を素直に表す人だ。
このことが分かったのは、彼が表舞台に出て来るようになり朝鮮中央通信などが公開する情報で顔の表情を継続的に観察してきたからだ。
無表情・悲しみ・喜び・大喜び・怒り・落胆・不愉快などの感情が読み取れる。
金正恩氏は、金一族の3代目で、母親高容姫(コ・ヨンンヒ)氏の血を受け、大事に育てられてきたためなのか、その時々の表情から本人の心理状態が透けて見え興味深い。
私の予想を裏切らないことが多く、はっきり言って笑えるものもある。
自分の表情をあからさまに出すことは、独裁者としては未熟である。しかも、国家統制のメディアから公開することは、国家の方針を読み取られことになる。
国家戦略からみて失策だ。
金正恩氏の写真を撮影し、国家統制のメディアに掲載しているのは、朝鮮労働党の宣伝扇動部だ。
彼らは、金正恩氏を金日成に似ていること、カリスマ性があることだけを重視しているために、本人の心情を隠すことに重きを置いていないようだ。
では、他の独裁者はどうだろうか。
その強国の元首を改めて見ると、あまり表情を変えないのが分かる。