2019年7月23日に公表された北朝鮮の潜水艦を視察する金正恩委員長

 北朝鮮潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)の発射母体である潜水艦の建造について、北朝鮮分析サイト「38ノース」は今年の6月、SLBM用の新型潜水艦を建造していると公表した。

 また、北朝鮮(北)は今年7月、写真付き(写真1参照)で、「朝鮮式の威力ある新たな潜水艦が建造された」と紹介した。

 だが、「この潜水艦が弾道ミサイル潜水艦だ」とは記述されてはいない。

 ミサイルの発射母体でもある潜水艦については、秘匿性が高く情報入手が困難なこともあり、潜水艦の能力評価について大きく分かれている。

 私は、過大なる能力評価については、多くの疑問を感じている。

 その最大の理由は、兵器の生産というものは、長い年月と実績を経て、やっと完成するものだ。過去の実績もなく突然高性能の兵器が生産されることはないと考えているからだ。

 そこで、北朝鮮の潜水艦の本当の実力を知るために、以下の4項目について分析した。

①北の潜水艦建造の実績
②新浦級潜水艦の実態

③最近公開の潜水艦は最新で大型の弾道ミサイル潜水艦か
④潜水艦の展開能力

写真1 新たに建造した潜水艦

出典:朝鮮中央通信(2019年7月23日)