次に中露軍事協力深化への備えである。

 米国という共通の競争相手への対抗として、中露の軍事協力が深化することは不可避であろう。

 特に中国が比較的遅れているといわれる対潜戦分野や揚陸作戦分野での協力、アビオニクスやミサイル技術といったロシアの優れた技術の積極的な導入が想像できる。

 ロシアにとって、中国は対米上共闘できる国ではあるが、前述したロシア国内での中国の影響力拡大は好ましいことではなく、4000キロ以上といわれる長大な国境線および、その国境線を挟む人口格差という面で、中国を警戒せざるを得ない。

 日本としては、北方領土問題という大きな問題はあるものの、米国とは違ったアプローチでロシアと向き合い、中露の軍事協力に一定程度のブレーキを加えるような動きをとる必要があるであろう。

 最後に、朝鮮半島問題への中国影響力の拡大が考えられる。

 中国にとって、北朝鮮は日本海における活動拠点といった意味で、戦略的価値は高い。

 北朝鮮にとっても対米交渉の後ろ盾としての中国の存在、さらには開発中の潜水艦発射型弾道ミサイル(SLBM)開発のための技術提供元としての中国の存在は重要である。

 加えて、前述したとおり、朝鮮半島が緊迫化した際に、中露軍の艦艇などが日本海で共同して存在あるいは行動するだけで、米軍兵力展開を阻害することとなるであろう。